キャリアの下克上を狙う方々へ

3流大卒、新卒大手人材系(人材紹介業)へ就職してから、戦略的にキャリア・スキルアップし、超大手安定IT企業への転職を果たした筆者の実体験をご紹介しています

【珍しいかも】アウトプレースメントの経験

こんにちは。ASです。

 

今回は、少し趣向を変えて、「アウトプレースメント事業」に居た時に

経験したこと、思ったことをご紹介したいと思います。

 

<アウトプレースメントとは>

アウトプレースメントとは、別名「再就職支援」とも言われます。

簡単に言うと、以下2つを行うビジネスのことです。

①雇用調整(人員削減)を考えている企業に対して、労使間問題や希望退職の

 募り方にかかわるアドバイス

②解雇・退職した社員の再就職の支援

 

私は、このうち②の最前線で数年仕事をしました。当時はリーマンショック

まっただ中で、大手企業が希望退職制度によって社員を解雇・退職する/せざるを

得ない、といった状況でしたので、ビジネスとしては活況でした。

 

が、そこで見た光景は、私のキャリア観を大きく変えるものでした。

 

<アウトプレースメントで見た光景>

私の仕事をもう少し詳しく書くと、「退職した方々の次の就職先を探す」です。

人材紹介事業におけるRA(リクルーティングアドバイザー:営業)にも似ている

と思いますが、決定的に違うことがあります。それは「紹介できる人の特性」です。

今は昔の「転職35歳まで説」でありますが、ある程度の年齢の若さがあれば転職

しやすい現実はあります。しかし、アウトプレースメントは、「希望退職制度を

利用して退職された方」をご紹介するため、その多くは45歳以上の方でした。

 

もうちょっとかみ砕くと、「ミドル以上の層において、どのようなキャリアが

採用企業から評価される/されない」という事象が目の前で起きる仕事です。

つまり、当時20代前半だった私が20年後よりも先の将来、どのようなキャリアを

「積んでいるべきか」ということを、強烈に意識せざるを得ない環境でした。

 

この瞬間から、私は自分のキャリアを戦略的に考えるようになりました。

また、自分のキャリアの弱さから、下剋上のような意識も持っていました。

この2点が、本ブログの原点です。

 

では、いくつか事例をご紹介します。皆さまの20年30年先のキャリアを

描く上での一要素としていただければとても幸せです。

 

①大企業→中小企業への転職

希望退職制度を持つ企業のほとんどは大企業です(しかも体力のある)。

そのような方々のご紹介先を探している中で、世の中には「大手企業にいた

人材を欲する」中小企業もかなりの数が存在していることを知りました。

それは、例えば大企業と中小企業の製造業では設備投資の額の多寡に圧倒的

な差があるが故の大手企業出身者の高い技術力が欲しい、といったニーズです。

おそらく、このようなニーズは、今後も在り続けると思います。

 

一方で、限りある資源を最大限に活用してビジネスを展開している中小企業は、

大企業ほどの待遇をもって迎えるということがなかなか難しい面があります。

 

つまり、ニーズはあれど待遇面がネック、という構造があるということです。

これは裏を返せば、仕事が変わらなくても、所属している企業によって待遇は

異なるということを顕しています。

 

この経験から、自分はどの企業に属するべきか?という視点が重要だと

痛感しています。

 

②キャリアの「パーツ」を活かした異業種転職

当時、様々な大手企業が希望退職(≒リストラ)を募るというニュースが日々

溢れていました。その中の一つに、とある航空産業の企業があり、私もお手伝い

をする機会がありました。

 

ここでは、

パイロット→「運転つながりで」電車、バス、タクシーの運転手

・飛行機の整備し→「整備つながりで」車の整備士

といった転職をいくつか目にしました。

 

私が驚いたのは、待遇や企業面ではなく、「(少し無理はあっても)キャリアを

パーツで捉え、それをアピールする」ことの大切さです。

 

この考え方は私自身の転職活動にも大きく影響を与えました。特にキャリアが

浅い20代前半~中盤は、自身のキャリア(経験)をバラバラにして売り出す

ことが効果的でした。

 

③思っている以上に行先の少ない「ゼネラリスト」

大手企業のご出身者のキャリアは、「現場A→総務→現場B→経理→管理職」

のようなジョブローテーションによって、それぞれの仕事を数年しか経験して

いないがある程度のことはできる、というゼネラリストの特徴があります。

 

一方で、転職活動における求人票を見るとわかりますが、基本的には

「募集職種の経験年数」が問われます。

 

つまり、ゼネラリストは、転職活動においては不利にしか働かないのです。

もちろん、ゼネラリストを求める企業もあります。職種で採用するというより、

「社に相応しい社員を採用」するという考えの企業もあります。ただ、

それらは多数派ではないため、結果的には専門職のようなキャリアを積んできた

方には勝ちづらいという現実があります。

 

話は少しそれますが、キャリアアドバイザー時代によくいただいたオーダーとして

「キャリアチェンジをしたい」があります。

個人的には、これはあまりお勧めできません。なぜなら、これまで積み上げてきた

キャリアが、下手をすると0になってしまう危険性もあるからです。

そのため、「キャリアチェンジをしたい理由が満たせる同職種での転職」を

おススメしていました。

 

 

 

以上です。