キャリアの下克上を狙う方々へ

3流大卒、新卒大手人材系(人材紹介業)へ就職してから、戦略的にキャリア・スキルアップし、超大手安定IT企業への転職を果たした筆者の実体験をご紹介しています

エージェントの求人票の裏側

こんにちは。ASです。

 

転職エージェントへの登目的の1つである求人票、みなさまは

どのように捉えているでしょうか。もう少し具体的に言うと、

どこまで信頼しているでしょうか。

 

応募に踏み切るための重要な情報である求人票について、

細かく見てみましょう。

 

 

<大前提>

まず、前提として、求人票には本当のことが書いてある必要がありません。

、、、と言い切ると極論ですが、必ずしも正しい情報が書いてあるわけではない、

という認識をもっていただいて相違はありません。

 

なぜなら、雇用契約においては、内定後に通知される「採用条件書」が契約書に

該当しますので、その前段で出てくるいかなる情報や書類は、契約内容に関係が

ないのです。

 

一方で、採用には企業側に大きなコストがかかりますので、虚偽だらけの求人票

を作って採用活動をして、入ってくれた人がすぐ辞めてしまう、という本末転倒な

状態は望まないでしょう。

 

とはいえ、求人票を作成する企業の立場からすれば、上記リスクは発生しない

程度に「魅力的に表現したい」という欲求が出てくるのは自然かと思います。

 

また、転職エージェントの営業担当からすれば、応募者が多く集まることで

入社(つまり成約→売上)の可能性が高まるので、同様の欲求が出てきます。

 

 

前段が長くなりましたが、何が言いたいかというと、

・「求人票は企業の広告」と捉えてください

・求人票は採用企業と転職エージェントの営業担当が「協働して」作る

ということです。

 

 

<求人票の見方>

では、企業の広告でもある求人票をどのような目線で見ていくと良いのでしょうか。

そもそも求人票の各項目は大きく以下2種類に分かれますので、各項目ごとに紹介

していきます。

 

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①定性的な項目

 →表現の適切具合

定量的な項目

 →カバー具合

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①定性的な内容の表現の適切具合

これは、言葉そのまま「数字では表せない項目」です。つまり、文章で表れている

項目を指します(当たり前ですが)。この項目が「どの程度適切に表現されているか」

を見てください。もう少し掘り下げてみましょう。

 

 a)業務内容

 ・見ていただきたい視点は、「自分を中心として、仕事をしている場面や周囲

  (人や仕事)の構造が表現されているか」です。

 ・もう少し具体的に言うと、ありがちな箇条書き(項目の羅列)はでなく、たとえば

  社内外の仕事相手になる人、具体的な作業プロセス、仕事のボリュームや並走

  する仕事の数、時間軸(1日で終わる/数日を要する)などが含まれていますか?

 ・ご自身が入社した後の日々の仕事のイメージがつく/つかないは、転職を決める

  際に大きな要素になりますので、よく見てみてください。

 

 ※よく「経験者なら見てわかるの」書き方の求人票を見かけます。専門用語が

  多い、箇条書きである、などです。その求人票が悪いとは思いませんが、考えを

  及ばせていただきたいのは「そのような求人票を作ったのは誰か?」です。

  先に述べたように求人票は広告で、採用企業と転職エージェントが協働して

  魅力的に創ろうとします。にも関わらず「つっけんどん」とも言える書き方を

  しているということは、それなりに覗える様子がありそうだなと、私なら

  思います。

  もう少し具体的に言うと「広告として人を集めたい転職エージェントの営業担当

  の意向が効いていない」ことが推察されます。つまり、転職エージェントと

  採用企業側の関係性が深くないのでは?と、考えることもできます。すると、

  転職エージェントを介して応募をすることで得られる「企業側との調整・交渉」

  のメリットが得られない懸念があります。

  私がキャリアアドバイザーをしている時に強く意識していた介在価値は、まさに

  「営業担当と採用企業の人事の関係性の深さ」から生まれるということです。

  間に転職エージェントという「人」が介在する価値はそこにありますので、ぜひ

  探ってみてください。

 

 

 b)社風

 ・社風を求人票で表現するのは非常に難しいです。なぜなら、社風とは一種の

  雰囲気のようなものなので、それを表現するにはある程度その企業について

  「体感」している必要があるからです。また、受け手によっても大きく変わり

  ますので、「貴方にとって」どう社風を感じるかは、間接的には不可能かと

  思います。

 ・そのような特性があるため、媒体を問わずどのような企業の社風も

  「風通しの良い」「みんな仲がいい」「ボトムアップ」などなど、まるで

  金太郎飴のような、まるで判で押したような、同じような社風で表現されて

  います。

 ・したがって、私がキャリアアドバイザーとして重視していたのは「一回

  見てきてください」です。元も子もないかと思いますが、十人十色の感受性

  においては、これが確実です。つまり、求人票の時点では社風は「あくまで参考」

  としか捉えないということです。また、得てして社風は「作りやすい」部分

  でもあるため、どちらかというと求人票に書いてある社風は「願望」に近い

  ケースもままありました。ご参考まで・・・。

 

定量的な内容のカバー具合

こちらの項目は数字で表されますので、捉え方は一つしかありません。具体的には

年収や残業時間などが該当します。これらの項目は数字であるが故に「書く側から

すると確定させたくない」という心理が働きます。なぜなら、応募者が事前に認識

していた数字から変わることは、基本的には悪い影響を与えるからです。給与の

上振れなどは別かもしれませんが、、、、その数字で応募する判断をした→捨てた

選択肢もあるという人であれば、いい気はしません。

そのため、どの求人票を見ても記載されている数字には幅が設けられている場合、

上記の背景があるともご認識ください。もちろん、内定者の様子で変動するため

という理由もありますので、「数字はあくまで参考程度」という捉え方が吉だと

お考え下さい。

 

上記前提の上で、いくつか項目を見てみましょう。

 

a)年収

 ・人お金に強い妙味を持つ傾向があります。そのため、求人票の年収も高く見える

  ように記載されている傾向が強いです。たとえば400万-700万の年収レンジの

  案件は多いかと思いますが、この場合に年収700万のオファーが出る可能性は

  あまりないと思います。これは、人間の数字の認識のマジックを使っています。

  なぜか700万に目が行ってしまうのは人の性です。スーパーでの1990円は

  2000円ではなく1900円と捉えてしまうと近しいと思います。

 ・ちなみに、この場合、700万に該当するのは「長期勤務をしているプロパー

  (新卒入社)で、その職位の一番上の年齢の人」のようなイメージです。

 ・年収は、なぜか採用の途中で質問をすると「お金を気にする人」と捉えられて

  評価が下がってしまう企業が少なくありません。私もキャリアアドバイザーと

  してお手伝いしているときは、可能な限り質問は内定を得てからするように

  アドバイスをしていました。求人票では正しいかわからない幅で提示され、

  内定までは質問をする機会も得づらく、内定後もわりと短期間で受諾の判断

  をしないといけない、というプロセスには、個人的には正直疑問です。

  (話が逸れるので別の機会に語ります)

  

b)労働時間

 ・かなり気にする人の多い労働時間ですが、これも正直に表現されている企業は

  少ない印象です。とはいえ、2018年現在は人手不足の傾向が強く、また今後も

  一層強まっていくため、働き方改革に代表される労働時間の適正化も進んでいく

  と思います。それができない企業は、必要なコストが払えないということなので、

  いずれ淘汰されてしまうでしょう。つまり、2018年時点では正直に書かざるを

  得ないという状況にもなっているため、以前より信ぴょう性は高いと思います。

 ・個人的に、労働時間の真偽は「口コミサイト」が良いかなと思っています。

  「辞めたい人が書く」という特性があるものの、実際の数字を書くでしょうから、

  ある程度の信ぴょう性を持つと思っています。この点は、正直転職エージェント

  に質問しても正しい数字が返ってくるイメージがありません。

 

 

以上です。

ご健闘をお祈りします。